2020を見据えた今、波乗りジャパンのMC 田嶋鉄兵と間屋口 香から見た日本の現在地。
9月7日~15日に宮崎(木崎浜)で開催されるISA世界サーフィン選手権「ワールド・サーフィン・ゲームス 2019」。注目の世界戦が間近に迫った今、波乗りジャパンのビーチアナウンサーとして、イベントや大会でMCを務める田嶋鉄兵と間屋口 香の2人に、今の日本チームについて話しを伺いました。去年のISA(伊良湖)をはじめ、鴨川合宿やジャパンオープンなど、選手たちをずっと間近で見てきた2人が感じている日本チームの今を語ってくれています。
■団結力のある波乗りジャパンチーム■
-波乗りジャパンのMCを務めるお2人から見て、今の波乗りジャパンチームをどう感じていますか?
間屋口)チームとしての団結力があると思いますね。普段の生活を見ていても選手同士がお互いを気遣い合っていたり、お互いのサーフィンをよく見ているので、自分だけじゃなく他のメンバーたちのいいところを学ぼうとしているのが伝わってくるんです。お互いを称え合うことで団結力が生まれ、選手たちも自信がつきメンタルが強くなっているんだと思います。
田嶋)選手1人ひとりの高いスキルはもちろんですが、そこにチームの団結力がプラスされています。彼らは小さい頃から一緒に世界中の大会を転戦しているので交友関係も築いていますし、それに加え実力も兼ね備えています。その結果が、昨年のISA(伊良湖)の団体金メダルに繋がっていると思うんです。今の波乗りジャパンは本当に粒ぞろいのメンバーですし、集合体でもかなり最強だと思いますね。

-日本での開催が迫った2020年の本大会ですが、波乗りジャパンチームの強みはどんなところにあると思いますか?
間屋口)やっぱり自国開催ということですかね。周到に準備ができるという部分では他国のチームよりも有利になると思いますから。
田嶋)そこに尽きますよね。ギャラリーの応援もそうですし、一番は波のコンディションの部分だと思います。
来年のサーフィン種目の会場は、千葉県一宮町・釣ヶ崎海岸(志田下ポイント)になります。このポイントはウネリの向きがしっかり合わないと、波がいいブレイクにならない難しい場所です。
開催時期が夏になりますので、タイミングよく台風スウェルが届けば大きい波のコンディションになりますが、その時期はおそらく小さいサイズの波が予想されます。
そのなかで、日本の選手たちは普段からこのポイントでサーフィンをする機会が海外選手よりも多いですから、その時の波のコンディションに対応しやすいというアドバンテージがあると思います。

■日本のサーフィンレベルが一気に上がった1年 ■
-昨年のISA(伊良湖)の試合を現地で見て何を感じましたか?
田嶋)過去に僕自身も日本代表としてISAの試合を経験してきましたが、当時日本のレベルはトップ10にさえ入ることができない実力でした。
それが去年の大会では念願だった団体金メダルを勝ち取ってくれて。
それを目の当たりにして、日本の実力が遂にここまできたということにすごく感動しました。
自分の今後のサーフィン活動にもいい刺激になったし、とても勇気をもらいましたね。
間屋口)今まで日本人がISAの世界戦で2人もファイナルに残るなんて考えられませんでしたし、団体で金メダルを取ることが現実になり、
今まで破れなかった壁をようやく破ることができた瞬間だったと感じています。
ISAジュニアもチャンピオンになりましたし、去年の1年を通して日本のサーフィンレベルが一気に上がったと思っています。
■波乗りジャパンにとって五十嵐カノアの存在は大きい■
-何が日本のレベルを引き上げている理由だと思いますか?
田嶋)やっぱり五十嵐カノアの存在が大きいんじゃないですかね。
彼はまだ若いですけどCTを経験しているサーファーですし、去年のISA(伊良湖)を見ていても、
彼が日本チームにいることによって全体の士気が上がっているように感じましたから。
間屋口)私も五十嵐カノアがいる日本チームは全然違うと思いましたね。
現場では実際に彼がみんなを引っ張っている感じがしましたし、「カノアがやってくれたから、
次は俺もやってやる!」みたいに、選手同士で切磋琢磨しあっている印象を受けました。
実力はみんなありますから、やっぱり最後はメンタル的な部分が重要になってくるんだと思うんです。

-波乗りジャパンが本大会で活躍するために、今後鍵となる部分を教えてください。
田嶋)男子ではフルローテーション(エアーで360度の回転)ができて世界で戦えるレベルになると思いますので、
ターンとエアーのコンビネーションがメダルへの鍵になってくると思います。
間屋口)海外選手の中には女子でも試合本番でエアーを成功させてくる選手がいます。
日本の女子のレベルがそこまで行ければベストですが、それ以外の要素でも確実に7点代のスコアを出せるサーフィンを意識してやっていけばメダルを十分狙えると思います。

-波乗りジャパンのビーチアナウンサーチームとして意識していることはありますか?
間屋口)2人でMCをやるときは私が実況で軸を作って、田嶋さんが専門的なことを解説すという役割分担なんです。
波乗りジャパンの試合は、普段サーフィンをしない人たちも沢山聞いてくれていると思いますので、なるべく分かりやすい説明ができるように心がけています。
ただ、選手たちのいいライディングが続くと、私自身も興奮してしまってマニアックな専門用語が出てしまいがちで…。
それがこれからの課題だと思っています。
田嶋)僕なんかが特にそうなりがちなんですけど…(苦笑)。間屋口さんはサーフィンを熟知しているサーファーですので、
とても信頼していますし実況のうまさでかなり助けられています。
彼女がうまく一般の人たちにも分かりやすいように話を持っていってくれるので、
僕は時にコアな本質的なサーフィンの話しを交えたりしながら、うまくバランスを取れればいいのかなと思いますね。
■この機会にサーフィンの素晴らしさを知ってもらいたい■
-来年の本大会では、サーフィンのどんな部分を一般の人に知ってもらいたいと思いますか?
田嶋)第1に、サーフィンは海という自然を相手にしていますので、自然のありがたさを伝えられたらいいですよね。
その中で、プロサーファーは自然とどう向き合いながら、どんなことを意識して、
どういう心境でいつも戦っているのかという選手の内面といいますか、試合の勝ち負けだけじゃなく、プロサーファーという存在そのものを伝えられたらいいですね。
そういうことを一般の人に伝えられる機会ってあまり多くないですから。
間屋口)私もコンテストの部分だけでなくサーフィンの本質である自然の素晴らしさという部分も知ってもらいたいと思いますね。
だからリアルサーファーがMCに入って実況や解説をするのはとても大事なことだと思うんです。
来年の本大会をキッカケに、サーフィンの素晴らしさをより多くの人に知ってもらえたら嬉しいです。


(プロフィール)
波乗りジャパン ビーチアナウンサー: 田嶋鉄兵 Teppei Tajima
幼少時代から千葉・志田下をホームグラウンドにし、サーフィンの才能を磨きながら千葉東のサーフシーンを牽引していく。
2007年~2009年にはWSL JAPANで3連覇など数々のコンテストで入賞やチャンピオンを獲得してきたトッププロサーファー。
2008年よりハワイ・オアフ島で家族と暮らし、プロサーファーとしての活動以外にもサーフィンガイドや、サーフィンフィットネス「サーファサイズ」、数々のプロコンテストでの解説者など幅広く活動している。

(プロフィール)
波乗りジャパン ビーチアナウンサー: 間屋口 香 Kaori Mayaguchi
18歳で全日本タイトルを獲得し、19歳でJPSAプロ資格を取得。
20歳でJPSAプロツアーチャンピオンとなり計3回のツアーチャンピオンとなる。
2010年に25歳でコンペティションシーンを引退すると、メインの活動をフリーサーフィンへ転換。
同時期に徳島・宍喰にオープンさせた「パビリオンサーフ」をベースに、サーフィンの素晴らしさを伝えるために様々な分野で活動中。
波乗りジャパンの選手と同じウェアを着て応援したい。QUIKSILVERの最先端テクノロジーを駆使し、選手たちのON/ OFFに焦点を当てたアスリートファーストのプロダクト。それぞれ特徴のある機能やシーンでの着用を想定した “REPLICA, TECHNOLOGY, ECO” の3ラインで波乗りジャパンをサポートします。そしてサーフィンをライフスタイルとして楽しむ全てのユーザーのためのウェアを提案します。