たとえ-10℃を下回る極寒であっても、たとえ激しく雪が降り続いていても、何のためらいもなく白銀の世界へと飛び出していくスノーボーダーたち。そんな過酷な環境を快適に過ごすために、スノーウエアに求められるものとは? 今回は、プロスノーボーダー・谷口貴裕にベストなスノーウエアについて語ってもらいました。
現在、愛用されているモデルを教えてください。
ジャケットがBLACK ALDER 2L GORE-TEX JKで、パンツがFOREVER 2L GORE-TEX PTですね。
最近はパークよりもバックカントリーで滑ることが多いので、ハイクなどで動き回ってもムレないGORE-TEX採用モデルを着たかったというのが、このセットアップをセレクトした大きな理由です。
GORE-TEXが使われているモデルってパキパキしたイメージがあるかもしれませんが、QUIKSILVERのウエアは着心地がソフトでめっちゃ調子いい。それにムレないだけじゃなく、軽くて動きやすい点も気に入ってます。
お気に入りの機能はありますか?
ジャケットは物を入れるところが多くて、かなり重宝してます。ポケット自体が広いのも好きですね。ハイクアップのときにゴーグルが曇らないように入れたり、ちょっと暑かったらグローブを脱いで入れたり、本当に便利なんです。
コーディネートのポイントを教えてください。
ジャケットはベージュっぽいMUSTARD GOLDっていうカラーにしたんですが、この色味に完全にヤラれてセレクトしました(笑)。街でも使えるカラーリングとデザインも気に入ってます。そしてパンツなんですが、本当はビブパンツが好きなんですけど、ジャケットに合わせてカーキっぽいカラーにしたくて、このモデルを選びました。山での撮影ってなると、ハデなウエアのほうが写真映えや映像映えはすると思います。ただ、昨シーズンがハデめのウエアだったから、今シーズンはシンプルで渋めのカラーリングがいいなって(笑)。あと、ダボッとしすぎず、それでいてスリムすぎないシルエットが好きなので、上は動きやすいけどシュッとしたモダンフィットに、下は少しゆとりがあるレギュラーフィットにしています。
マシュー・クレペルも愛用するBLACK ALDER 2L GORE-TEX JK
QUIKSILVERのイメージは?
自分がサポートしてもらうようになって2年目なんですが、昔はサーフブランドっていうイメージがありました。だから、きっと水には強いんだろうな……って(笑)。実際、スノーウエアもまったく濡れないし、性能に関しても抜群に調子良かった。デザインに関しては、パークキッズがよく着るようなハデなウエアっていうイメージがあったんですけど、ハイラインのGORE-TEX採用モデルなどはロゴもシンプルだし、シンプルで落ち着いたテイスト、大人っぽいデザインもイケてるんだって思いました。だから、いい意味で裏切られた感じでしたね(苦笑)。
最後に、谷口貴裕にとってベストなスノーウエアとは?
雪山のスポーツなんで、まずは防寒がしっかりされていること、そして汗をかいてもムレを解消してくれる機能があることが重要だと思います。加えて、スノーボードはかなりアクティブなスポーツだと思うんで、やっぱり動きやすさは外せないポイントだと思っています。個人的には肩周りの動きを重視していて、僕が着用しているモデルは、そこがまったく制限されない。自分の思った動きを自由に表現できるのって、やっぱりいいですよね。
看板ライダーのひとり、ブライアン・フォックスの軽快な滑りは、過酷な環境でも彼の身体を守り、彼の動きを制限しないウエアにあった。
谷口貴裕
Takahiro Taniguchi
1988年5月3日生まれ、北海道名寄市出身。
2014年にはAIRMIXで優勝を果たすなど、豪快なジャンプと洗練されたスタイルが魅力のライダー。現在はバックカントリーでのフィルミング活動に注力しており、北海道を拠点とするライダーたちの滑りを収めたUNDERLINEの作品にも出演している。
BLACK ALDER 2L GORE-TEX ジャケット
FOREVER 2L GORE-TEX パンツ