トラビス・ライスが新プロジェクトNatural Selection Tourを発表!

2020年2月20日


言わずと知れた世界屈指のマウンテン・フリースタイラーであるトラビス・ライスが、1月に最新ムービーDARK MATTERのプレミアで来日。実はここでもうひとつの重大な発表がありました。それは、来シーズンに向け準備を進めている新たなバックカントリーコンテストツアーです。
トラビスの古くからの友人であり、日本でLIB TECHなどのブランドをディストリビュートするアドバンスマーケティングの代表マイク宮沢さんに、そのコンテストについて本人に話を聞いていただきました。

 

 

 

■来年の2021年にNatural Selection Tourの準備を進めている

 

-トラビスお帰り。2021年に新しいプロジェクトを行うようだね。

アラスカで12年間、僕はこのプロジェクトのために準備をしてきた。
まずは2008年に初となるNatural Selectionをジャクソンホールで開催したんだ。地球上で最も優れた才能を持つフリースタイルライダーを集い、自然地形を滑りお互いを高めあうコンテストをね。
参加してくれたライダーたちは、みんな本当に楽しんでくれた。このイベントの持つ可能性を感じることができたから続けていくことを決め、僕はその5年後の2012年から2年間、Super NaturalとUltra Naturalを開催したんだ。
夏場にいい地形を探し、安全な状態でコンテストができるように準備をした。そのコンテストにも多くのライダーが参加してくれて、「これは僕らが滑りたいと思っていた理想的な地形。
そして純粋な表現の結果を見せられるカタチだ。人生で経験してきた滑りがここで試される」と、彼らからフィードバックをもらったんだ。
これらの経験を踏まえて、来年の2021年にNatural Selection Tourの準備を進めているよ。

 

 

-それは今からとても興奮する内容だね。そのツアーはどこで開催する予定なのかな?

このNatural Selection Tourは、2021年の冬にジャクソンホールから開催し、2カ所目はブリティッシュコロンビアのボールドフェイス。
ここでは高品質のフリーライブキャストを行う予定なんだ。そして最後の開催地はアラスカを予定している。
コンテストのフォーマットは、メンズとウィメンズの種目別で考えている。僕は2年間このコース設計に取り組んでいて、新しいスノーボーディングコンテストの章をスタートすることに興奮しているよ。
世界中の多くのトップライダーたちと協力してプロジェクトを進めることで、彼らもみなこのライディングシーンの未来をどのように見ているのかについて関心を持っているからね。

 

-このツアーに参加するライダーたちはたくさんの経験が必要だろうね。若い世代にはトラビスや経験を積んだライダーをもっと見て欲しいね。もっと自然の雪山の中での時間を過ごしてもらえたらと思うよ。

誰もが同じレベルの土俵に立てる素晴らしいコンテストフォームだと思う。
例えば、X-GAMESで優勝した18歳のマーク・マクモリス、方やレジェンドライダーのテリエ・ハーカンセンがこのコンテストに出場しても、誰が勝者になるかはわからないからね。
経験はとても重要な要素になってくる。だから若い世代にもこの価値観を共有してもらいたい。自然の中で時間を過ごすコミュニティには大きな価値があるからね。

 

 

-日本にも素晴らしいフィールドとライダーが揃っているけど、日本での開催は考えたかな?

話は戻るけど、僕がこのイベントを開催するにあたり考えてきたことは、主役はライダーではなく母なる大自然なんだ。
その自然は僕たちにたくさんのことを教えてくれる。日本にはこのようなイベントを開催できる素晴らしいフィールドがたくさんあると思うし、僕たちライダー同士も同じ夢を共有していきたいと思っている。

 

■バックカントリーで重要な要素は責任にあると思う

 

-ここ数年は多くのスノーボーダーがバックカントリーに興味を持ち、実際にそういったフィールドで滑り始めている。また日本はリゾート内にも安全にパウダーやナチュラルトレインでのスノーボーディングを楽しむことができる環境もあるんだ。バックカントリーで少しでも事故が起こらないようにするためにトラビスの提案はどんなことかな?

一番の要素は責任にあると思う。バックカントリーの素晴らしさだけをイメージするのではなく、行く前にしっかりと家族や友達など信頼できる人のことを思い浮かべ、事前に学ぶべき教育を受けるべきだと思う。
日本にはそういう素晴らしい経験ができる環境が整ってきていると感じているよ。僕の友人のデイブは白馬でガイドをし、素晴らしいアバランチ講習などを行なっているしね。
それに天気や雪の状況、雪崩予報を事前に確認することも重要なこと。そして最後に、これが一番重要かもしれない。ビーコンを持つことはもちろんだけど、使わない方が良い。
決して自分自身を危険な雪崩に突っ込んで滑りに行かないことだね。

 

-事前にそういうことをしっかり学んでからってことだね。

でも、それは楽しいことなんだ。学ぶことは素晴らしいことだということを理解してほしい。楽しみながら少しずつね。

 

■スノーボーディングは僕らにたくさんの教えをあたえてくれるもの

 

-最後にトラビスにとってスノーボーディングとは?

やっぱりFUNであることかな。一緒に楽しめる仲間と世界を見るための素晴らしいツアーだと思っているよ。
それにスノーボーディングはいつだって自分自身と向き合うことができ、僕らにたくさんの教えをあたえてくれるものなんだ。
雪山を安全に滑り続けるためには、雪の性質を理解し、経験を積み、直感や自然から何かを感じることが大切だと思う。
これからも仲間たちと楽しいスノーボーディングを続けていきたいね。

 

 

 

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(プロフィール)

トラビス・ライス(Travis Rice)

ビッグマウンテンでフリースタイルを体現する世界の最先端スノーボーダー。
アメリカのスノーボード専門誌「Snowboarder Magazine」や「TransWorld Snowboarding」の Rider of the Yearに選ばれるという快挙も遂げ、自身がハンドリングしたムービー、「Thatʼs It, Thatʼs all (2008)」や「 The Art of Flight (2011)」は数々の賞を受賞し、最⾼興⾏収益を上げた。
水の循環をテーマにした「The Fourth Phase(2016)」も多くの人に影響を与える。
自身もトップシーンで活躍する傍ら、バックカントリーコンペティションをディレクションするなど、 スノーボードシーンの限界に挑み続けているスーパースター。

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