♯1 チームキャプテン大野修聖が考がえる波乗りジャパンの現在地。
昨年のISA(伊良湖)では、波乗りジャパンのキャプテンとしてチームを支え、日本の金メダル獲得に貢献した大野修聖。長年に渡り日本のサーフシーンを牽引してきた彼は、来年に迫った2020年の本大会をどう見据えているのでしょうか。日本で初開催となるサーフィン種目。その意味とは一体?
-先日(5月)のジャパンオープンでは若手の活躍も目立っていましたが、選手として、また波乗りジャパンのチームキャプテンとしてこの大会をどう感じましたか?
自分自身で言えば理想としていた結果ではありませんでしたけど、間違いなく日本のサーフィンレベルは上がっていると感じました。それにケツを叩かれて自分にとってもすごいく良い刺激をもらってますね。周りの選手たちから今までにない刺激を受けられるというのは、日本のサーフシーンも良い時期なんじゃないかと思います。それに今回のジャパンオープンで優勝した選手は、9月のISA(宮崎)に出場できるっていうことだったので、みんな口には出さないですけど確実に優勝を狙っていたと思うので、そういう意味でも面白い大会だったと思います。
-いよいよ来年7月には千葉県一宮町・釣ヶ崎海岸(志田下ポイント)で本大会が開催されます。この場所で開催されるということは、日本にとってどんなメリットがあると思いますか?
志田は日本を代表するサーフポイントですし、先日のジャパンオープンの舞台でもありました。ここの波は早くてダンパーになりやすく、肩(ショルダー)のない波が多いので自分にとっては具合のいい波を見つけるのがトリッキーなポイントです。他のみんなもそう口を揃えてますよね。でも日本の選手たちは、海外選手よりもこのポイントで入る機会が多いですから、波の特徴や攻略方法をより知っている。それは必ず強みになってくると思うんです。ローカルのヒロト(大原洋人)や、レオ(稲葉玲王)なんかは、やっぱり波を良く知っているんですよね。この波はこうなるっていうのをだいたい分かっているというか。志田の波を知っているってことは間違いなく本大会でも活きてくると思いますよね。
-2020年は自国開催の大会なので多くのサポーターが現地で応援してくれると思いますが、そのあたりも選手に良い影響があると思いますか?
現地で応援をしてくれる人の多くが素直に日本の優勝を願ってくれているはずなので、良い意味でのプレッシャーを大きな力に変えていけるはずだと思います。
-昨年のISAでも日本代表として共に戦った五十嵐カノアですが、彼は波乗りジャパンにとってどんな影響力がありましたか?
やっぱり全部じゃないですかね。彼が世界で経験してきているものや、サーフィンのレベルやメンタル、彼の存在感もそうですよね。上手い選手が持っている自信が伝わってくるんです。この自信を持っている選手が近くにいることによって、チーム全体のモチベーションが上がり、「自分たちなら勝てる!」っていうチームの良い雰囲気が出てくるんです。
-すばり、五十嵐カノアのサーフィンの凄さってどんな部分だと思いますか?
もちろんサーフィンが上手いのは当たり前なんですけど、やっぱりコンペティションがずば抜けて上手いという部分ですよね。自分の見せ方をしっかり分かっていて、持っている引き出しの数が多いんです。この場面ではこうして、この局面ではこの技を出そうっていう。つまり試合運びが上手いんです。頭も良く戦術というかゲームを知っている点だと思います。
-最後に、サーファーにとって2020年の自国開催の本大会に出場することはどんな意味があると思いますか?
今すぐ具体的にはわからないですけど、それは名誉なことだと思いますし、後々必ず響いてくるんじゃないですかね。本大会の正式種目になることによって、サーフィンという言葉すら聞いたことがない人たちがサーフィンを知ってもらえる機会になりますから。ただ、サーフィンって競技だけではないっていうか、もっと深いカルチャーがあると思ってるんで。だから2020年はひとつのキッカケになってもらえればと思っていますね。
(プロフィール)
波乗りジャパン チームキャプテン: 大野修聖 Masatoshi “Mar” Ohno
1981年生まれ。若くして世界を転戦し、世界で数々の好成績(日本人過去最高)を納める。2013年国内にカムバックすると8戦中7戦連続優勝し、前人未到の記録を樹立。3度目のJPSAグランドチャンピオンに輝くなど多くの戦績を残してきた。2018年のISA WORLD SURFING EVENTでは、サーフィン日本代表 ”波乗りジャパン” のキャプテンを務め、日本を初の金メダルに導いた。
波乗りジャパンの選手と同じウェアを着て応援したい。QUIKSILVERの最先端テクノロジーを駆使し、選手たちのON/ OFFに焦点を当てたアスリートファーストのプロダクト。それぞれ特徴のある機能やシーンでの着用を想定した “REPLICA, TECHNOLOGY, ECO” の3ラインで波乗りジャパンをサポートします。そしてサーフィンをライフスタイルとして楽しむ全てのユーザーのためのウェアを提案します。