2020を見据えた選手たちの今。
#3 ヤングガン期待の星、上山・キアヌ・久里朱が目指すもの。
昨年2018年のISA世界ジュニア選手権では日本代表として出場し、U18で見事優勝。また同大会のキャプテンとしてチームを牽引し、団体でも日本の金メダル獲得に貢献。先日(5月)のジャパンオープンでは4位と大健闘し、波乗りジャパン強化指定選手の中でも注目が集まるヤングガン上山・キアヌ・久里朱。そんな彼は、来年に迫った2020年の本大会をどう見据えているのでしょうか。
-昨年のISA世界ジュニアは日本代表として出場し、チームのキャプテンを務めましたね。日本代表の試合に出場することは実際どんな感覚ですか?
ISAジュニアでは、いつも一番最初のヒートが僕だったので特に気合いが入りました。自分が勝てば、みんなもその流れでうまく戦ってくれるから、とても重要なポジションで。結果は個人でも1位を取れましたし、団体でも金メダルを獲得することができました。自分のリザルトよりもチームで優勝できたことが、キャプテンを任されて一番嬉しかったです。
-2020年サーフ種目の開催場所は千葉県一宮町・釣ヶ崎海岸(志田下ポイント)です。この場所で開催されるということは、自分にとってどんなメリットがあると思いますか?
日本での試合は志田下で開催されることが多く、先日のジャパンオープンや、その直前のQS6000の会場も志田下でした。それらの大会期間中にもこのポイントで入っていることが多いので、普段サーフィンしている場所のひとつなんです。だから、僕にとってはやり慣れた場所なので強みになると思います。
-このポイントの攻略方法は?
志田下の波はブレイクするのが早いので、早めに技を仕掛けておいた方がいいのかなと思います。ある程度自分がやりたい技を事前にイメージしておく必要があると思いますね。
-サーフィンにおける自分の強みってどんなところだと思いますか?
プライオリティー(波の優先権)があるとすごく待っちゃってダメなんですけど、プライオリティーがない場面で自分に波が来た時にはすごく楽しくて点数も出せるんです。得意な技はエアーなので、そこも常に意識しています。今の課題はもっとスプレーを飛ばせられるようにしたくって、そのためには色々なタイミングを覚える必要があるので、今コーチに教えてもらいながら練習を重ねています。
-今後はどう自分を成長させていきたいとか何か目標はありますか?
2020年の本大会に向け、来年は最初から目立って波乗りジャパンの代表に選ばれるようにベストを尽くしたいです。それに、僕は今年のISAジュニアも狙えるので2連覇も達成したいですし、WJC(WSLのジュニア)の方でも優勝したい。QSも大事ですけど、やっぱりジュニアの試合に出れるチャンスが今シーズンでラストなので、この2つの試合に出場して優勝したいですね。
-今年のISA(宮崎)に日本代表として出場が決まった五十嵐カノアですが、すばり、彼のサーフィンの凄さってどんな部分だと思いますか?
カノアくんとはあまり会話をしたことがないんですけど、憧れですね。サーフィンの上手さは別格ですし、今僕が目指しているスプレーの飛ばし方を実際にやっているサーファーなんです。コーチとも話していて、大きなスプレーを飛ばすにはもちろんパワーも大事なんですけど、よりタイミングが重要みたいで。波に対するタイミングがもっと掴めてくれば、エアーとかも安定するようになる。だから、カノアくんのライディングは常に意識しています。それに、僕も昨年のISA(伊良湖)を見に行ってたんですけど、カノアくんはスター性があって、インタビューもうまく答えていたし、ファンにも常に笑顔でニコってしていて、ファンサービスがすごく上手くて。そんな選手が日本のチームにいるってことはすごく力になってくれると思います。
-最後に、2020年自国開催の本大会出場を目指す理由を教えてもらえますか?
2020年はサーフィンの種目は、日本で初めて開催されるので、やっぱり出場して金メダルを取りたいですよね。メダルを取って家族に恩返しをしたいんです。それに、この大会は多くの人にサーフィンを知ってもらえるチャンスだと思います。サーフィンって、怖いとか危ないとかネガティブなイメージが多いように感じるんですけど、全然そんなことはなくて。初めは小さな波で上手いサーファーとかに教えてもらったら怖い思いもしないですし…。だから、この大会で少しでもサーフィンの魅力を伝えられたらいいと思っています。
(プロフィール)
波乗りジャパン 強化指定選手: 上山・キアヌ・久里朱 Keanu Chris Kamiyama
2001年1月6日生まれ。キアヌの愛称で親しまれる彼は、ハワイで生まれ大阪で育ち、現在は徳島・海部をホームに活躍するヤングガン。長い手足を活かしたアグレッシブなサーフィンとエアーを特徴とする。2017年JPSAプロ公認取得。2018年ISA世界ジュニア選手権 U18の日本代表として出場し見事優勝。同大会では、ジャパンチームのキャプテンとしてもチームを牽引し、団体金メダルを獲得。2019年シーズンは世界各地のWQS大会に参戦中。
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